不動産を売却しようと考えたとき、まず直面するのが「仲介」と「買取」どちらを選ぶべきかという問題です。

この2つは似ているようで、売却価格や期間、手間のかかり方まで大きく異なります。選択を誤れば、数百万円単位で損をしてしまうことも珍しくありません。

この記事では、仲介と買取の仕組みから具体的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そしてあなたの状況に合った選び方まで詳しく解説します。不動産売却で後悔しないために、まずは基本からしっかり押さえていきましょう。

仲介と買取の基本的な仕組み

不動産売却には大きく分けて「仲介」と「買取」の2つの方法があります。どちらを選ぶかで、売却の流れや結果が大きく変わってきます。まずはそれぞれの基本的な仕組みを理解しておきましょう。

仲介とはどんな売却方法か

仲介とは、不動産会社が売主であるあなたと買主の間に立ち、売買契約の成立をサポートする方法です。不動産会社は物件情報を広告やポータルサイトに掲載し、購入希望者を探してくれます。

買主が見つかれば、内見の調整や価格交渉、契約手続きまで不動産会社が仲介役として進めてくれます。売却が成立した場合、不動産会社に対して仲介手数料を支払う仕組みです。

買取とはどんな売却方法か

買取は、不動産会社が物件を直接買い取る方法です。一般の購入希望者を探す必要がないため、スピーディーに現金化できるのが最大の特徴です。

不動産会社は買い取った物件をリフォームして転売したり、賃貸物件として活用したりすることを前提に価格を提示します。そのため、仲介に比べると売却価格は低くなる傾向があります。

「即時買取」と「買取保証」の違い

買取にも種類があります。「即時買取」は文字通り、すぐに不動産会社が買い取る方法です。最短で数日から1週間程度で売却が完了します。

一方「買取保証」は、まず一定期間は仲介で売却活動を行い、期間内に売れなかった場合にあらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取る方法です。「高く売りたいけど、いつまでに売却を終えたい」という方には、この買取保証が選択肢になります。

仲介と買取で何がどう違うのか?

仲介と買取では、契約相手から売却価格、かかる手間まで多くの点で違いがあります。ここでは具体的な違いを項目ごとに整理していきます。

買主・契約相手の違い

仲介の場合、買主の多くは一般の個人購入希望者です。マイホームを探している方や投資目的の個人などが対象となります。

買取の場合は、不動産会社が直接の買主となります。つまり、あなたが交渉・契約する相手は不動産のプロである買取業者です。

売却価格・売却期間の違い

項目 仲介 買取
売却価格 市場価格に近い(相場程度) 市場価格の6〜9割程度
売却期間 1〜3ヶ月程度 数日〜1ヶ月程度

仲介では市場価格に近い金額で売却できる可能性があり、条件やタイミング次第では相場より高く売れることもあります。ただし、買主探しから内見・交渉・契約までに時間がかかり、平均で1〜3ヶ月程度を要します。

買取は価格が合意されれば最短数日で売却完了。しかし、不動産会社が転売やリフォームを見越して価格を提示するため、相場の6〜9割程度になることが多いです。

手間・心理的負担・プライバシーの違い

仲介では購入希望者への内覧対応が必要です。土日に何度も内覧を受け入れたり、部屋を整えたりする手間が発生します。また、広告に物件情報が掲載されるため、近所に売却を知られたくない方にとっては気になる点でしょう。

買取なら内覧対応は基本的に不動産会社の担当者のみ。広告掲載もないため、周囲に知られずに売却を進められます。

費用・契約不適合責任(瑕疵担保)の違い

仲介では売却成立時に仲介手数料(売却価格の3%+6万円+税)がかかります。買取は直接取引のため、この仲介手数料は発生しません。

また、仲介で個人に売却した場合、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)を負う期間が設けられるのが一般的です。

売却後に欠陥が見つかれば、修繕費用を請求される可能性があります。買取の場合、多くの不動産会社はこの責任を免除してくれるため、売却後のリスクを軽減できます。

不動産「仲介」のメリット・デメリット

仲介にはどのような良い点と注意点があるのでしょうか。具体的に見ていきます。

仲介のメリット

  • 市場相場またはそれ以上の価格で売却できる可能性がある:競争原理が働くため、複数の購入希望者がいれば価格が上がることも
  • 高い売却価格にこだわれる:納得いく価格になるまで待つという選択ができる
  • 幅広い買主候補にアプローチできる:不動産ポータルサイトや広告で多くの人に物件を見てもらえる

仲介のデメリット

  • 売却に時間がかかる:買主が見つかるまで数ヶ月かかることも珍しくない
  • 仲介手数料がかかる:売却価格によっては数十万円〜百万円以上になる
  • 内覧対応の手間がある:休日に何度も対応が必要になるケースも
  • 売却時期が読みにくい:いつ売れるか確約がないため、計画が立てづらい

不動産「買取」のメリット・デメリット

続いて、買取のメリットとデメリットを整理します。

買取のメリット

  • 売却がスピーディーで現金化が早い:急ぎで資金が必要な場合に有利
  • 手間がかからない:内覧対応や広告掲載の煩わしさがない
  • 契約が破談になるリスクが低い:不動産会社が買主なのでローン審査落ちなどの心配がない
  • 契約不適合責任を免除されるケースが多い:売却後のトラブルリスクを軽減できる
  • 周囲に知られずに売却できる:広告が出ないためプライバシーを守れる

買取のデメリット

  • 売却価格が仲介より2〜4割程度安くなる:まとまった金額の差が出る
  • 市場価格よりも大幅に安くなる可能性がある:物件の状態によってはさらに低い提示になることも

仲介と買取のどちらが向いている?タイプ別の考え方

あなたの状況や優先事項によって、最適な売却方法は変わります。タイプ別に考えてみましょう。

仲介が向いているケース

  • なるべく高い価格で売却したい方
  • 売却までに時間的な余裕がある方(3ヶ月以上待てる)
  • 内覧対応などの手間を惜しまない方
  • 売却価格を最優先したい方

一般的には仲介のほうが高く売れる可能性が高いため、時間に余裕があれば仲介を選ぶのが基本です。

買取が向いているケース

  • 急いで現金化したい方(転勤、相続離婚など)
  • 売却の早さや手間がかからないことを重視する方
  • 価格について多少の妥協ができる方
  • 築年数が古い、立地が悪いなど仲介で売りにくい物件をお持ちの方

迷う場合の現実的な選び方

迷っている場合は、まず仲介と買取の両方で査定を取ることをおすすめします。実際の金額差を把握したうえで、自分の優先順位と照らし合わせて判断しましょう。

また、「買取保証付き仲介」という選択肢もあります。まず仲介で高値を狙い、売れなければ買取に切り替える方法です。期限がある程度決まっている方には現実的な選択肢といえます。

後悔しないための売却の進め方

売却方法を決めたら、具体的にどう進めればよいのでしょうか。後悔しないためのポイントを押さえておきましょう。

最初に確認しておきたい条件(価格・期限・リスク許容度)

売却を始める前に、以下の3点を明確にしておくことが重要です。

  1. 希望売却価格:最低いくらで売りたいか、理想はいくらか
  2. 売却期限:いつまでに売却を完了させたいか
  3. リスク許容度:売却後のトラブルリスクをどこまで許容できるか

これらが明確になれば、仲介か買取かの判断がしやすくなります。

査定の取り方と不動産会社への相談のポイント

査定は複数の不動産会社に依頼しましょう。仲介の場合も買取の場合も、1社だけでは適正価格かどうか判断できません。

相談時には、自分の希望条件(価格・期限)を正直に伝えることが大切です。条件を隠して相談しても、結局はミスマッチが起きやすくなります。

仲介から買取への切り替えという選択肢

仲介で売却活動を始めたものの、思うように進まないケースもあります。その場合、途中で買取に切り替えることも可能です。

売却期限が近づいてきたら、早めに買取査定を取っておくと安心です。「売れなかったらどうしよう」という不安を軽減しながら、仲介での高値売却にチャレンジできます。

まとめ|自分の事情に合った方法を選ぼう

不動産売却における「仲介」と「買取」は、それぞれに明確なメリット・デメリットがあります。

高く売りたいなら仲介、早く確実に売りたいなら買取です。これが基本の考え方です。ただし、実際にはあなたの状況、売却期限、希望価格、物件の状態、手間をかけられるか, によって最適解は変わります。

最終的には、自分がどういった売却期間や売却額を希望するかによって選択することが重要です。迷ったらまず複数社に査定を依頼し、仲介と買取の両方の選択肢を把握したうえで判断しましょう。焦らず、でも計画的に。それが後悔しない不動産売却への第一歩です。